ご葬儀(お葬式)について
葬儀の意義
「死」とは人間であるならば、誰しもが避けて通ることのできない厳然たる事実です。私たちはそうした「死」という事実に直面したとき、いま自分が生きているということ、つまり、たったひとつしかない尊い命を持っているということに目覚めなければなりません。そこに葬儀の意義があるのです。
葬儀は亡き人を送るだけの儀式ではありません。肉親や親しい人の「死」を契機に、自分に与えられている命の尊さに目覚め、このかけがえのない命を正しく生かしきっていくことを誓う機会でもあるのです。
葬儀・告別式とは
葬儀は、遺族や近親者、そして特に個人と親しかった人たちが故人の徳を讃え、成仏を祈って営まれるものです。
告別式というのは、宗教儀礼を含まない「最後のお別れ」のことでしたが、いまでは葬儀に引き続いて、一般会葬者のために焼香の時間を設けることを告別式というようになっています。正式には葬儀と告別式とは別々にとり行うものですが、いまではほとんど一緒に済ませているようです。
以前はどの家庭でも当たり前のようにご自宅や菩提寺で葬儀を行っていました。
しかし近年、一般会葬者やご近所組の負担を考え、葬儀会社を利用した「式場」での通夜式・葬儀・告別式が一般的になっています。
仏式の葬儀儀式は枕経からはじまり、お通夜、葬儀と、一連の流れがあることに本儀があります。
葬儀会社に依頼すれば、霊柩車の手配から火葬の手続き、式場には各宗旨宗派の祭壇はもちろんのこと椅子席・冷暖房完備・親族控え室・大きな駐車場など、様々な葬儀に対応してもらえます。
スタッフの方が最初から最後まで丁寧に対応し、司会進行まで執り行ってくれます。
その他にも各葬儀会社によって様々な演出やサービスが増えてきています。
人生最期のお別れをご家族の精一杯の気持ちで挙行してあげて頂きたいものです。
密葬・家族葬について
密葬
密葬(みっそう)とは、故人の家族やごく近しい親類・友人のみで行われる葬儀のことです。
密葬を行い火葬した後に、日を改めて本葬(骨葬・告別式など)を行います。
密葬と本葬を合わせて一つの葬儀であり、本葬を行わず密葬だけを行うことは基本的にありません。
家族葬
家族葬(かぞくそう)とは近年作られた造語で、家族などの近親者だけで行い、近親者以外の儀礼的・社交辞令的な弔問客の参列を一切拒否する葬式のことです。
近年、小さめの式場で会葬者を少なくして安価に行える葬儀だとよく勘違いされていますが、これは間違いです。
故人の喪を知らせ一般会葬者がいる葬儀は家族葬とは違います。
特別な事情により人知れず葬儀を済まされるお家も中にはありますが、その場、近隣の知人や古くからの友人などから
「故人には大変お世話になり、最期のお別れに来たいと思っていた」
「故人の死を知らずに失礼な思いをした」
など、葬儀後に苦言を呈されるなどの不義理が生じる場合もございますので、よほど特別な事情がない限り、義理を欠くことのないよう一般的なお葬式で最後のお別れをしていただきたいと願います。
家族・親族・身内だけの
少人数のお葬式
家族・親族・身内だけのお葬式なら『お寺でお葬式』という選択も
しかしながら少子高齢化による親近者の減少、身寄りのない独身者が多くなり、隣近所の参列は少なく親族や身内のごく親しいお付き合いのある方だけで行う「少人数のお葬式」がコロナ禍以降さらに増えてきているのも事実です。
弔問客を招かず、香典等も一切受け取らない、本当に肉親だけの質素なお葬式をしたいと思っても、いざ葬儀会社へ依頼すると会場施設を利用することになり、祭壇料・会場施設使用料など気づけば高額な葬儀費用になっていることが多々見受けられます。
家族だけの葬儀であっても葬儀費用は一般葬に比べほとんど変わらないのに対し、一般葬で遺族の収入となる香典・弔慰金がほとんどなく葬儀費用と相殺できないため、一般葬よりも費用負担が増える場合があります。
故人にまったく身寄りのない方や、事情によってお金をかけることのできない方に対しても、喪主がおられる限り葬儀会社は同じように自社の「葬式会場の利用」をすすめます。
「遺体安置」などで葬儀会社の施設を一時的にでも使うと当然「施設使用料」が発生します。
遺体の搬入先は先ず一度ご自宅に安置するなど、よくお考えください。
当山では、家族・親族・身内を合わせて20名程であれば「普門閣」を使用して「通夜・お葬式」を一貫して行うことができます。(檀信徒のみ使用可能)
生花の飾り付けにもよりますが、葬儀会社の祭壇料や会場施設使用料など諸々の出費を抑えることができます。
お寺で葬儀を行うことで、葬儀会社へ支払うべきはずだった祭壇料や会場施設使用料で、寺院へのお布施がほぼ全部まかなえてしまう場合もあります。
「普門閣」
全ての葬儀会社が「お寺で葬儀」の施行ができるわけではございません。各葬儀会社へご確認ください。
亡くなったあと直ぐに葬儀会社に遺体搬送の手配をしてしまい、ご遺体の安置などで少しでも葬儀会社の施設を利用すると施設使用料が発生します。
まずは生前に菩提寺に相談してみましょう。
『お寺でお葬式』をお考えなら清昌寺へ
0572-43-2479
※菩提寺の無い方、まだ菩提寺を決めていない方は、前もって近くのお寺や、葬儀を頼みたいお寺へ礼儀として直接ご挨拶に伺い、早めにご縁を結んでおかれることをお勧めします。
どんな場合でも故人の訃報は必ず菩提寺に連絡して、
葬儀はきちんと営みましょう
「直葬」や葬儀会社提携の
「お坊さん手配」は安易に頼まない
まず「直葬」(じきそう)とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、故人を直接火葬場へ運び荼毘に臥すことです。
これは、よほど特別な事情が無い限り行うものではありません。
しかし近年、葬儀会社が「低価格」という謳い文句で斡旋している通夜や葬儀を省いて直接火葬をしてしまう「直葬プラン」なるものがあり、宗教、宗旨宗派に関係なく勝手におこなってしまう会社があるようです。
また、「費用が安いから」と言った理由で菩提寺があるのにも関わらず菩提寺に相談や連絡もなく、「直葬プラン」や葬儀会社提携の「お坊さん手配」の寺院に任せ、勝手に葬送を済ませてしまってから、後日、戒名授与や四十九日法要を頼みに来る。
という事例がごく稀にあるようです。
仏式の葬儀式は、菩提寺の和尚が戒名を授け、お通夜、葬儀、その後の供養と、一連の流れがあることに本儀があります。
ですので、
もし菩提寺の知らないところで「直葬」や「葬儀」を勝手に済ましてしまった場合、戒名授与や四十九日法要、故人の今後一切の供養を引き受けてもらえない場合や、離檀問題に発展する場合もあるそうです。
そうならないためにも、
故人の訃報は必ず菩提寺に連絡や相談をして、どんな形であれ葬儀を営むよう十分に注意しましょう。
当山では、特別な事情でやむを得ず先に火葬する場合であっても、収骨後に必ず「骨葬」という形で改めてお寺でしっかりと仏の弟子となる「授戒」を行い戒名を授け、葬儀式をすることにしています。
どこの寺院も「直葬」してしまった後に「戒名だけ付けて欲しい」という安易なお願いに対してはお応えできかねぬ場合がございます。お気を付けください。
しっかりとした葬儀会社であれば喪主に対して必ずご自身の宗派・菩提寺の有無を確認し、葬儀会社からその菩提寺に連絡してくれる場合もあります。
もし、葬儀会社から喪主に対して宗派・菩提寺の有無の確認が無い場合や、菩提寺に連絡を入れないよう促しより安価な施行を提案し葬儀会社提携の「お坊さん手配」を勧められたら要注意です。
故人の葬儀は1度しかございません。
信仰する宗教は自由です。宗教の信仰が無ければ問題ないと思いますが、後々の供養の事もよく考えて後から後悔しないように判断して頂きたいと思います。
お葬式のことで本当に困ったら
まずお寺へ相談しましょう
故人にまったく身寄りのない方や、特別な事情によって本当にお金をかけることのできない方でも、
「なんとか葬儀だけはしてあげたい」
と願う方に対して、多くの寺院は協力的です。
最も費用をおさえることができる方法は、
葬儀会社の施設・祭壇を使わず、
枕経・通夜・葬儀一貫して自宅で葬儀をすることです。
その際、自分たちで用意できるのもは、できるだけ自分たちで手配・準備すると、より余分な出費を抑えることができます。
しかし、身寄りのない施設入居者、アパートやマンションの集合住宅、葬儀を行うためのスペースが確保できない場合、また諸事情によりご近所に知られずに行いたい場合は、自宅で葬儀を行うことができません。
そんな時こそ、菩提寺を頼ってください。
ご自宅にご遺体を安置できない場合は、お寺に直接ご遺体を安置することで、葬儀会社への「施設使用料」がかかりません。
できるだけ費用の負担をおさえ、お寺にあるものを利用するなど様々な方法を一緒に考えながら葬儀、最期のお別れをお手伝いいたします。
当山では、そういった特別な事情でお困りの方に対して、「普門閣仏間」でできるだけ費用をかけない簡素なお葬式も執り行っています。
お寺で葬儀を行うことで、葬儀会社へ支払うべきはずだった祭壇料や会場施設使用料で、寺院へのお布施がほぼ全部まかなえてしまう場合もあります。
簡素な設えですが、こころのこもった葬儀を安心して行うことができます。
(※ただし、しっかりとしたお付き合いのある檀信徒に限ります。)
葬儀会社に連絡する前に、
まずは菩提寺に相談してください。
たとえ少しでも葬儀会社の施設を利用すると施設使用料が発生します。
※菩提寺の無い方、まだ菩提寺を決めていない方は、前もって近くのお寺や、葬儀を頼みたいお寺へ礼儀として直接ご挨拶に伺い、早めにご縁を結んでおかれることをお勧めします。
各ご家庭によって事情はさまざまです。
いざという前に、まずは事前にご相談ください。
人生の最後は
やっぱり『お寺でお葬式』
昔のように『お寺でお葬式』がしたい
清昌寺檀信徒のみなさまはどなたでも『お寺でお葬式』を行うことができます。
(ただし、しっかりとしたお付き合いのある檀信徒に限ります)
1人~20人ほどの親近葬でも、100人を超える一般葬でも「通夜・葬儀」を一貫して行うことができます。
葬儀会社の会員や互助会に入っていても昔からの葬儀会社であれば寺院葬儀に対応し行うことができますが、中には寺院葬儀に対応していない葬儀会社もありますので一度ご確認ください。
◇「お寺の近くに住んでいるので、近所のみなさんにお別れに来ていただきたい」
◇「殺風景な会場よりも、歴史あるお寺で厳粛な葬儀を営みたい」
◇「今まで寺院に多大なる貢献・寄与をしてきた」
◇「最期は大好きなお寺で葬儀をしてほしい」
という方は、ぜひ『お寺でお葬式』をおこなってください。
清昌寺では昔から、檀信徒のみなさんのために本堂で厳粛なご葬儀をおこなっています。
通夜式は「普門閣」で行い、本葬は参拝者の人数によって「本堂」または「普門閣」で行います。
「本堂」で本葬をされる場合、先に火葬する「骨葬」が主流となっています。
※当山は檀信徒以外の方はお受けしておりません。
もしまだ菩提寺を決めておらず「お寺で葬儀をしたい」とお考えの方は、礼儀として前もって直接お寺に挨拶へ伺い、檀信徒としてしっかりとお付き合いをしておくことをお勧めします。
『お寺でお葬式』の様子