降誕会(ごうたんえ)
灌仏会(かんぶつえ)

2013-04-07 12.10.51-2

4月8日は、お釈迦さまの誕生日です。

今からおよそ2500年前、インドの北部(現在のネパール)にシャカ族の小さな国カピラがありました。国王はスッドーダナといい、お妃のマヤ夫人とともに国中の尊敬を集めて平和に暮らしていました。

ただ一つの悩みは二人の間には子供が恵まれなかったことです。


ある晩、マヤ夫人は白く輝く象が自分の体の中に入ってくる不思議な夢をみました。

占いで有名なアシダ仙人に話したところ、
「マヤ夫人は王子さまを身ごもっておられます。王子さまは気高いお方で、国王になれば国をよく治め立派な国王となり、出家をされれば世界中を救う仏陀となられるでしょう」
と予言したといわれています。


やがてマヤ夫人はルンビニー園という美しい花園で男の子をお産みになりました。

伝説によれば、生まれたばかりの王子は七歩歩まれて、右手で天を指さし左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と叫ばれたということです。




この時、天からは甘い清らかな雨が降って王子の体を清めたという言い伝えにちなんで現在「花まつり」に花御堂の中に右手を上に左手を下にした誕生佛をかざり「甘茶」をかけてお祝をします。


右手を上に上げるのは「上求菩提(真の自己を究明する)の道に生きよう」ということ、左手で地を指すのは「下化衆生(世の人々のため)に生きよう」のお示しで、七歩歩まれたのは「迷いの世界である六道を抜け出た」ということを意味していると言われています。


そして「天上天下唯我独尊」とは、「いのちの尊さ」の宣言であり、お釈迦さまに限らず命のあらわれである「オギャーオギャー」の産声こそ全宇宙を凝縮したような尊い我なる存在、この世の多くの尊い縁によって今ここにいのちの誕生を宣言したのであります。


花まつりの行事を通じて、自らの「生命の尊さ」に目覚めるのが「降誕会・灌仏会」です。

お寺で大切な仏教行事「二祖三佛忌」のひとつです。

清昌寺では人形供養の日に併せ、本堂に花御堂を飾り参拝者に甘茶をお配りしています。

お子さん、お孫さんを連れてどうぞご参拝ください。


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